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「新興国投資」という言葉を本や雑誌で見るようになってから、
これらのファンドに投資をしたり、実際に株取引をしているも多いと思います。
代表的な投資対象としては、中国、インド、ベトナム、トルコといったところでしょうか。
BRICsやVISTAの中でも注目を集めている国です。
BRICsとは、ブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、インド(India)、中国(China)の
4ヶ国の頭文字をとって作られた言葉で、中長期的に高い成長が見込まれる新興国を指します。
米国の証券会社ゴールドマン・サックスが2003年10月に発表した投資家向け報告書の中で
この言葉を初めて使用してから、広く知れ渡るようになりました。
一方、VISTAとは、BRICsに続いて成長性の高い有力な新興国5ヶ国を指し、
BRICs経済研究所のエコノミストである門倉貴史氏が、2006年11月に提唱した言葉です。
ベトナム(Vietnam)、インドネシア(Indonesia)、南アフリカ共和国(the Republic of South Africa )、
トルコ(Turkey)、アルゼンチン(Argentina)の頭文字をつなげた造語であり、
「眺め、遠望」などを表す英単語Vistaにかけています。
また、VISTA各国は、1.豊富な天然資源、2.若年労働力の増加、
3.外国資本の積極的な導入、4.政情の安定、5.購買力のある中産階級の台頭、
以上の5つの条件のうち、4つ以上を兼ね備えています。
■BRICsとVISTAの位置 (黄色:BRICs、ピンク:VISTA)
BRICs、VISTAの共通点は、豊富な資源を持ち、人口規模が大きいことです。
ドバイには石油や天然ガスなどの資源は採掘されますが、
産油国ではあるものの、原油埋蔵量は多くはありません。
その上、ドバイに住む全人口120万人のうちの80%は外国人です。
インドやアラブ諸国、東南アジアなど様々な国の人々が住んでおり、
外国人といっても出稼ぎ労働者だけではなく、リタイヤ生活を送るリッチな定住者もいます。
人口が多いことは必ずしもプラスというわけではありませんが、
国が発展する過程では、潤沢な労働力が必要となってきます。
しかし、もし人口が少ないのであれば、労働力は他国から補給すれば、
自国の成長につながり、同時に外国人労働者も豊かになれます。
同じ新興国でも、人的資源、物的資源に恵まれたBRICsやVISTAとは対照的です。
ドバイの強みは、世界から大金が流れ込む仕組みを作ったことです。
「将来的に資源が枯渇する」前提で何すべきかという問題を解決した地域は、
長期的に安定した収益を見込めるため、
税制や治安などを整え、古くからの交易都市であったことを最大限に活かし、
最小のリスクで最大の効果を得ることになりました。
小さい地域に巨額な資金が流れ、税制的に優遇されている土地は、
ドバイの他には、リゾートで有名なモナコや商業都市であるシンガポールなどがあります。
税金を下げ、企業や人が集まることで、現地の雇用が安定し、
生活水準が向上すれば治安が良くなります。
ただ、企業と人を呼び込むためには、治安が良いことと法律面での保障が必要です。
法律がすぐに変わるようなところには、安心して進出することができないため、
たとえ税金面でのインセンティブがあったとしても、外資を誘致することは難しくなります。
また、観光ビジネスに二番煎じは通用しないため、新しい何かを欲していた世界中のセレブ達が、
いい意味で先の見えないドバイに、一気に集まることになりました。
「アラブ首長国連邦はイスラム教の国だから、住みづらいのでは?」と思った方がいると思いますが、
様々な国の人たちが一緒に暮らすドバイでは、宗教や慣習に対して寛容であり、
イスラム教徒ではない人に対して、戒律を押し付けるようなことなしないため、
観光客がお酒を飲むこともミニスカートをはくことも問題はありません。
異文化を取り入れる度量のある土地であることが、多くの人を呼び込むことになったと言えるでしょう。
もともと、首長国は伝統的な部族社会であり、
各部族が協力をしながら貴重な資源を共同で防衛し、活用していました。
UAEでは真珠産業が盛んな時代がありましたが、真珠をとるための潜水夫を提供する一族、
船を保有する一族、水先案内人をする一族などが連携して真珠採取を行っていました。
さらに、真珠採取による収入で得たオアシスのナツメヤシや農地、らくだを管理する一族がおり、
他には、オアシスや内陸部との交易路を防衛する一族も連携していました。
ドバイが近代的な国家へと変貌を遂げることになったのは、
首長家と部族連合を構成してきた一部の部族の間に亀裂が走ったことに遡ります。
ドバイは湾岸諸国の中で最も早く近代的な警察組織を整備しましたが、
それは部族連合から防衛を担うグループが離脱したためであり、
また、外国人を受け入れることに対して寛容であるのも、
かつての連合部族を差し置いて、能力のある外国人を積極的に登用するなど、
伝統的な部族構造が崩れたことが背景にあります。
このような動きが、近代的国家への脱皮と先進的な経済システムの導入を
容易にする環境をもたらしたのです。
これを会社という組織に置き換えると、創業時の一部のメンバーと、その人を慕う人たちが
ごっそりと辞めてしまったという感じではないでしょうか。
組織の構造を変えるということは、今までの安定した状態が崩壊することを意味するため、
会社であれば社内から反発が起き、新しい風を入れることは簡単ではありません。
部族構造の欠如は、首長国の安定を懸念するものではありますが、
ドバイの場合はこれがプラスの方向に向いたようです。
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